施設園芸設備メーカーの㈱誠和(栃木県)と佐賀市が、「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」を開発・製品化部門で共同受賞しました。
同表彰は、脱炭素社会の実現に向けて、気候変動の緩和や気候変動への適応に功績のあった個人や団体を顕彰しようと環境省が行っています。
対象になった「施設園芸エネルギーデザインシステム」は、工場等で排出される余熱や二酸化炭素を利用する循環型施設園芸をすすめる際に、環境面の効果と経済効果を同時にシミュレートできるソフトウエア。施設の設置状況等によって異なる、高い生産性の実現に必要な熱量や二酸化炭素の量、コスト、温室効果ガス排出量などが、それぞれのデータを入力することで可視化されるようになっています。清掃工場の排ガスから分離回収した二酸化炭素や焼却熱を施設園芸や微細藻類培養に活用している佐賀市は、データを提供するなどしてシステムの開発をサポートしてきました。
審査を務めた森俊介委員は、「CO2を回収して農業に結び付けるという循環社会のアイデアは大変面白い。大学や学会などの研究レベルではよく聞かれる技術だが、これをシステムとしてリリースしたのは初めてでは。一般ゴミまで活用の視野を広げた例は他にないもので、大変高く評価したい」とコメントしました。
佐賀市は「私たちの役目は二酸化炭素を分離して継続的に供給すること。それをどう使うのが一番いいかを判断してもらえる事業パートナーとして株式会社誠和と取り組んできました。佐賀市の二酸化炭素供給能力には余力があり、今後も広く企業に興味をもっていただきたい。二酸化炭素を活用する企業が増えることで、環境経済を活性化しつつ、環境を良くできる社会を作りたいと考えています」としています。