(一社)さが藻類バイオマス協議会は2月2日、オンラインで2回目の「藻bioオープン・イノベーション・ミーティング」を開きました。佐賀大学SDGsプロジェクト研究所 微細藻類バイオマス研究プロジェクト(Project SA)の青木茂久准教授(医学部)と川添嘉徳准教授(農学部)が、医療分野での研究の現状を報告しました。
青木准教授は、微細藻類の皮膚再生効果について報告しました。マウスを使った実験で、藻類を混ぜたクリームを塗った創部(傷)の縮小率が、混ぜない場合に比べて大きいことを紹介し、微細藻類に皮膚再生を促進する可能性があると指摘。「床ずれなどの治療への展開もあるかもしれない」と説明しました。
川添准教授は、ケミカルバイオロジー(化学生物学)の手法を用いて藻類が持つ機能成分の探索を進めていることを報告。これまでの研究で抗がん、抗肥満、血圧低下の効果を示す物質が含まれている可能性が高いことを示し、「今後、効果を示す物質の本体を明らかにしていきたい」と話しました。
同ミーティングでは、協議議会がアドバイザリー契約を結んだ株式会社ちとせ研究所と、新たに協議会に参加したダイセン・メンブレン・システムズ株式会社からのあいさつもありました。微細藻類や微生物の育種・培養技術を活かしたビジネスを展開しているちとせ研究所は「バイオで社会課題を解決することが目的」と自己紹介、膜や膜モジュールを製造・販売するダイセン・メンブレン・システムズ社は「藻類の濃縮過程などで膜分離を提案したい」と抱負を述べました。
オンラインで開いたミーティング 青木茂久准教授
川添嘉徳准教授 ちとせ研究所の事業紹介
(2021年2月10日掲載)