(一社)さが藻類バイオマス協議会の第13回 藻 バイオ・オープンイノベーション・ミーティングは2024年12月17日、「東芝、三井住友信託銀行、佐賀市が考えるカーボンニュートラルな社会~世界初ISCC+認証取得からカーボンクレジット、カーボンニュートラルのとりくみまで~」をテーマに、オンライン(ZOOM)で開きました。
会員と入会を検討する企業から約70人が参加。佐賀市バイオマス産業推進課藻類産業推進室⻑の前田修二氏、三井住友信託銀⾏ESGソリューション企画推進部調査役の⻑⾕川朋氏、東芝Nextビジネス開発部バイスプレジデントの山田剛氏が登壇しました。
前田氏は、佐賀市が進めてきた二酸化炭素利活用事業の現状を説明した上で昨年9⽉、佐賀市清掃工場由来のCO2について、世界で初めて持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS認証」を取得したことを紹介。「今後はこの持続可能な資源を生かしてカーボンクレジットの創出を目指したい」と述べました。
長谷川氏は、カーボンクレジットについて「CO2削減効果を他の企業との間で取引できるようにする仕組み」と解説。削減効果のクレジット化には課題があるとしつつ、「今後、需要は増加する見込みでカーボンクレジットの創出・販売はビジネス機会につながる」と指摘し、佐賀市のISCC認証取得についても「CO2がバイオマス由来であると示せることでより高い環境価値を主張でき、産業活性化に貢献する」と評価しました。
山田氏は、カーボンニュートラルに向けた東芝の事業の中で特にCO2の分離回収利活用を紹介。同社のアミン溶液を使った分離回収技術の特徴を「回収エネルギーが小さく、既存設備に設置可能」と解説しました。さらに、開発中のCO2を電気分解してCOを生成する技術についても「SAFや合成燃料などいろいろな用途に使える」と説明、2026年の商用化を目指しているとしました。
最後に登壇者によるディスカッションを行い、回収したCO2の利活用方法や経済性、水素製造との比較などについて意見を交換。協議会会員の間でカーボンクレジットを使った環境価値の高い製品を作り出す可能性を探りました。