佐賀市は2014年、「暮らしから発生するごみ・廃水など、廃棄物であったものがエネルギーや資源として価値を生み出しながら循環するまち」を将来像とする、バイオマス産業都市(※)構想を策定しました。バイオマスの原料収集・生産から利活用までを一貫して行うシステムを構築し、地域の特色を生かしたバイオマス産業を育成することで、環境にやさしいまちをつくる取組です。
核となるのは、ごみを焼却する佐賀市清掃工場と下水を処理する佐賀市下水浄化センターです。清掃工場では、ごみ焼却時に発生する熱を利用して発電し市立小中学校に電気を供給するほか、排気ガスから高濃度のCO2を分離回収して藻類の生育に活用しています。
下水浄化センターでは、下水処理時に発生した消化ガスで発電しセンターの使用電力の一部を賄う一方、下水処理でできた汚泥を肥料化し市民に提供しています。
微細藻類の培養による新しい産業の創出も、バイオマス産業都市構想の柱の一つです。清掃工場や下水浄化センターで発生する二酸化炭素などを活用して微細藻類を培養し、その藻類から抽出した有用成分やオイルを使った健康食品や化粧品、エネルギー関連の新たな産業の集積をはかることを目指しています。
※「バイオマス産業都市」は、2013年度から国の関係7府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が共同で選定しており、全国で83市町村が選定されています(2019年4月現在)。佐賀市は2014年11月、九州で初めて選定されました。